2022年10月、同ブログで「グロソブの島」を取り上げました。
香川県小豆島のことです、かつてこの島では「グローバル・ソブリン・オープン(以下、「グロソブ」)と呼ばれる投信が爆発的に売れた事実がありました。
ところで、爆発的に売れたこのファンドの「グローバル・ソブリン」とは何でしょう?
グローバル・ソブリンとは、投資対象を世界の主要先進国のソブリン債(国債や政府機関債など)とし、債券からの利子を主な利益とする投資信託です。購入者に支払われる配当の原資は債券からの配当になります。
国債など信用力の高い債券の利回りは高くありません、10年物の日本国債の利回りは0.96%(税引き前:2025年7月時点)。ほとんど増えません。しかも、同ファンドは毎月分配型で、毎月多額の分配金を支払わねばなりませんでした。この点が、グロソブが爆発的に売れた理由の一つになります。
少ない運用益で多額の分配金を出さねばならないのですから、ファンドの資産額は減り、基準価格は下落します。基準価格が下落すれば購入者の資産は目減りします。自分の資産が目減りするのを見るのは怖いものです。ファンドの売却が進み、更に基準価格は下落する、負のスパイラルです。
国債も市場で流通ため、国際価格も変動します。ファンドが投資している国債の価格が下落すればファンドの資産も減ってしまいます。
債券も需給によって価格が決まります。債券の需要は満期返済の確実性と利回りで決まりますが、債券の価格と利回りの関係は逆相関です。
返済が不確実であればそれだけリスクが高くなります。リスクの代償として利回りが高くなります。
国内は参院選の真っただ中、各党が給付金や消費税減税を訴えています。しかし、いずれも国庫の資金が減ってしまう政策です。
世界各国で財政健全化が叫ばれる中、逆行する政策です。財政の悪化は国の力を弱め、国債の需要も小さくします。
財政が悪化すれば利払いや償還が懸念され利回りが高くなければ買い手がつかない状況となります。
利回りが上昇すれば利払いに必要が資金が増え、更に財政が悪化してしまいます。
そうなれば、日本が世界から見放されることになりかねません。
選挙では目先の政策だけではなく、そろそろ長期のヴィジョンで投票先を決める必要があるのではないでしょうか。