2026年2月下旬、イラン戦争が勃発したことでホルムズ海峡が事実上封鎖となり、ナフサの供給が混乱状態となりました。
ナフサ(粗製ガソリン)は食品のトレーやラップ・洗剤やペットボトル、塗料や接着剤の原料となるものです。
政府は「中東からの輸入が減っても代替調達ができており、ナフサの供給に問題はない」との見解を示しているが、足元での供給不足感は否めません。実際はどうなのでしょうか?
上図は石油連盟が財務省「貿易統計」を基に作成したデータを弊社でグラフ化したものです(2026年4月の値のみ速報値)。
見てわかるように、2026年4月の通関実績速報値は104万キロリットルで、前年同月比45.06%減少とほぼ半減しています。前月の3月の数字も確定値で114.4万キロリットルで前年同月比38.24%減少となっており、足元では供給不足といっても過言ではないように思われます。
データを基に計算すると2016年以降、1~4月期の輸入量は毎年700万キロリットル以上となっています(2016年以降で同期間最低輸入量は2024年の704.5万キロリットル)。しかし、2026年1~4月期の輸入実績予想値は489.5万キロリットルで例年の63%程度となっています。これでは商社やメーカーなどの実需筋が在庫手当てに動いても仕方がない状況といえます(これが政府の言う「目詰まり」です)。ある意味で、政府の見解はフェイクと言えそうです。確かに政府の言う「年内の供給量は手当できている」かもしれません。年末に大量供給できれば数字や見解は正しいといえますが、企業の生産活動や消費活動にマッチしているとは言えません。
ナフサ不足の影響が本格化するのは7月以降という声がよく聞かれます。
政府として、上記の事実を説明したうえでナフサ製品の節約を呼びかけ、加えて業者に過度な在庫確保などを自粛を求める施策が必要と考えます。供給不足によるナフサ製品の値上がりは物価を押し上げる要因になりかねず、巡り巡って株安や円安の要因となり、日本国の弱体要因となりかねません。